b型肝炎の抗原・ウイルス量の陰性化

b型肝炎ウイルスは、ほかの肝炎ウイルスを比べて感染力が高く、感染の時期によって進行の仕方も異なります。

b型肝炎ウイルス感染後の経過がさまざまなため、治療が必要な場合とそうでないことがあるのです。参考サイト…B型肝炎訴訟・給付金請求なら弁護士法人アディーレ法律事務所

また、治療法もそれぞれ異なるため、ここでは、抗原やウイルス量の陰性化と治療法に関して詳しく紹介しています。

乳幼児期に感染すると

b型肝炎ウイルスの感染経路は、いわゆる母親の胎内にいるときや出産時の出血による母子感染のルートがあります。これらのルートは、1956年以降防止策がとられていますので、その後に生まれた人は、ほとんど心配ありません。

このルートの場合、感染しても赤ちゃんは免疫が未熟なため、すぐに免疫反応が起きることがなく、肝炎は起きずにウイルスと共存しているので、無症候性キャリアの状態です。しかし、成長とともに免疫が発達していくとウイルスによる攻撃がはじまります。

思春期から30歳代で肝炎を発症しますが、乳幼児期に感染していた人の多く、およそ8割から9割の人はセロコンバージョン現象により非活動性キャリアになります。これは、ウイルス攻撃により遺伝子変異が起こり、増殖しないウイルスになるもので、HBe抗原が陰性になり、最終的にHBe抗体が出現するのです。

その間、経過観察が必要になりますが、HBs抗原が陰性になれば完治したと診断されます。ただし、ごくわずかなウイルスが肝臓に残り、抗がん剤治療など、別の疾患の治療により免疫を強く抑制された場合、ウイルスが再活性化することもあるので注意が必要です。

最も危険なのは、何の自覚もないまま非活動性キャリアになっていることです。対処が遅れると重度の肝硬変や劇症肝炎を起こすこともあるので、肝炎ウイルス検査は一度受けておくことが大事になります。

非活動性キャリアに至らないケース

乳幼児期の感染は、垂直感染以外にも水平感染と言って、食べ物の口移しやキスなどによって、両親から子供に感染することもあります。

いずれにしても、0歳から3歳までの乳幼児期の感染は無症候性キャリアとなり、10歳から30歳代に肝炎を発症してセロコンバージョンが起きます。

しかし、10から20パーセントの人は、非活動性キャリアに至らず、HBe抗原陰性になっても、ウイルスが再増殖して、慢性肝炎に移行するのです。ここで治療を行なえば、ウイルスが抑え込まれて、非活動性キャリアになることもできますが、放置していると肝硬変や肝がんへのリスクが高まるので経過観察を怠らないことが大事になります。

思春期以降に感染したら

思春期以降に感染する人の多くは、水平感染です。性交渉や歯ブラシ・カミソリなどの共有などによる感染が多く、1から6か月の潜伏期間を経て、急な発熱や倦怠感、黄疸などがみられる急性肝炎を発症します。ほとんどの人は、自然治癒してしまい、免疫の力でウイルスを排除できますが、およそ1パーセントの人が劇症肝炎に移行します。

また、b型肝炎ウイルスには、遺伝子型というものがありますが、ゲノタイプAの場合、急性肝炎で終息せずに、慢性肝炎になる確率が高いです。ほかのタイプと比べるとおよそ40倍になります。b型肝炎ウイルスキャリアの人は、非常に感染力が高いため、日常生活には注意が必要です。

また、症状はなく肝機能が正常化しても、HBe抗原が陰性化せず陽性のままの場合は、無症候性キャリアでも感染力はあるので気をつけなくてはなりません。

ウイルス量の陰性化を目指す

実際に、肝細胞にウイルスに感染すると、人の体ではウイルスを排除しようとする免疫反応が起きます。リンパ球がウイルス感染し、肝細胞ごと破壊しはじめるので、その時に炎症が起こります。これがウイルス性肝炎です。

中でもb型肝炎は、血液や体液を通じてウイルス感染を起こし、慢性肝炎に移行して肝がんまで進行するリスクが高いです。b型肝炎ウイルスはタンパク質の皮でおおわれており、抗体ができにくく人の免疫だけでは、治癒することが難しい場合も多くあります。

そのため、炎症が長引きやすいのが特徴です。b型肝炎の治療をする際に目標とするのは、b型肝炎ウイルスの増殖を抑えて、肝炎を沈静化させることです。現在、治療薬として使われているものでは、完全にウイルスの排除を行うことができません。

そのため、限りなくゼロに近い状態にまで抑え込んでいくことになります。実際に、b型肝炎ウイルスの増殖を抑え込んでも、薬剤を中止すると再燃することはよくあります。

そこで、HBe抗体の出現と血液でのウイルス量を測定感度以下の陰性にし、その状態を持続させて肝機能を正常化させていくのが一般的です。

ウイルス量の陰性化を持続すると、慢性肝炎から肝硬変への移行は、ほぼ停止します。加えて、万が一、肝硬変が進んで肝不全になったような場合でも、抗ウイルス剤の投与を開始すれば、ウイルス量が陰性の状態になり、症状が著しく改善することは珍しくありません。

どんなに進んだ状態でも諦めずに治療を続けていくことが大事です。どんな状態であっても、ウイルス量の陰性化を目指し、持続させることが重要になります。

年齢により治療方針が異なる

臨床に使用されている薬は、インターフェロン、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、そして、テノホビルとその改良型の6種類です。インターフェロンは、c型肝炎の治療にも使われている有名な注射薬です。抗ウイルス作用と免疫を高める作用があります。

ほかの薬剤は、抗ウイルス作用が中心で、ウイルスの増殖を抑えるための飲み薬です。b型肝炎のウイルスキャリアは、多くは青年期に自然経過としてHBe抗原が陰性化し、HBe抗体に変化する可能性があるため、治療法の決定には年齢は一つ大きな判断要素になります。

35歳以下であれば、自然に抗体ができて肝炎が落ち着くかどうかを判断し、肝機能が正常値範囲内か、肝臓の線維化はどれぐらいのレベルか、ウイルス量が陽性か陰性かなど総合的に判断するのが一般的です。肝機能の異常が持続し、線維化が進行してHBe抗原が陽性の状態が続けば、肝硬変への移行が危惧されますのでその場合は、若くても治療対象になります。

一方、35歳以上の人でも、無症候性キャリアであれば治療対象にはならないことがほとんどです。しかし、自然経過でHBe抗原陰性からHBe抗体が出現するセロコンバージョンになることは少ないので、肝機能異常があれば、抗ウイルス剤による治療を行います。